愛犬の必要な栄養素・
与えてはいけないもの
出典:公益社団法人 日本動物福祉協会
食事の量
犬は、人と長い間、共同生活していく中で雑食性が進みましたが、人よりもたんぱく質を多く必要とします。
犬の母乳は牛乳に比べてたんぱく質や脂肪の量が多く、乳糖などの糖質や水分が少ないのが特徴です。このような違いから、子犬に牛乳を与えると、水分が多く、脂質が少ないためにエネルギーやたんぱく質が不足し、健全に成長できないことがあります。また、成犬や成猫に乳糖を多く含む牛乳を与えると、乳糖をうまく消化吸収することができないため、下痢を起こすことがあります。
塩分・糖分
塩分・糖分の摂りすぎに注意が必要です。人が味付けをしている食事、総菜、ハムなどを犬に与えてしまうと、塩分摂取量が過剰となることがあります。塩分の摂取過剰は人と同様に心臓や腎臓に負担をかけてしまうことになります。そのため、チーズ等を与える際は犬専用のものを与えましょう。
また犬は甘みのある食べ物が大好きです。肥満などの原因になるため砂糖や果物の与えすぎには注意しましょう。
飲み水
水は犬の体の60〜80%を占める重要な要素です。体に必要な水分のほとんど(90〜95%)は、飲み水及びフードから摂取されます。実際には食べているフードの種類や、気温、運動量などによっても大きく左右されるので、いつでも新鮮な水が飲めるように用意しましよう。特にドライフードは水分含有量が少ないため、ドライフードを与えるときは必ず新鮮な水をフードのそばに置いておきましょう。
与えてはいけないもの、注意が必要なもの
×:与えてはいけないもの、注意が必要なもの
- ●タマネギ・ネギ・ニラ・ニンニク
- タマネギなどに含まれている犬に有害な成分(アリルプロピルジスルフィド)が赤血球を破壊し、犬が大量に食べると、血尿や下痢、嘔吐、発熱などを引き起こすおそれがあります。
- タマネギなどに含まれている犬に有害な成分(アリルプロピルジスルフィド)が赤血球を破壊し、犬が大量に食べると、血尿や下痢、嘔吐、発熱などを引き起こすおそれがあります。加熱してもこの成分は分解されず、八ンバーグやカレーなどのタマネギが含まれる加工食品、また、タマネギそのものではなくても、エキスがしみ出た味噌汁やすきやきの煮汁など与えてはいけません。(同様の成分は、長ネギ、ニラ、ニンニクなどにも含まれています。)
- ●チョコレート
- 犬にチョコレートを与えると、テオブロミンが原因で嘔吐、下痢、発熱、けいれんの発作などを引き起こします。室内飼育の場合には、買い置きのチョコレートなどを部屋に放置しないようにしましよう。
- ●キシリトール入りのガムなど
- キシリトールは、虫歯予防などに有効として人間用のガムや歯磨き粉などに含まれていますが、犬が食べてしまうと、少量でも、血糖値の低下や嘔吐、肝不全などを引き起こすので与えてはいけません。
- ●鶏の骨
- 鶏の骨は縦にさけやすく、嚙んで割れるととがった形状となり、のどや消化管を傷つけるけることがあるため、犬に与えてはいけません。
- ●ブドウ・干しブドウ
- 腎不全の原因になります。特に、ブドウの皮は与えてはいけません。
△:注意が必要なもの
- ●レバー
- ブタやニワトリなどのレバーにはビタミンAが多く含まれており、犬がビタミンAを過剰に摂取すると、食欲不振、関節炎を引き起こすことがあります。レバーを与えすぎないようにしましよう。
- ●ホウレン草
- シュウ酸が多く含まれているため、シュウ酸カルシウム尿石症の原因になります。茹でてアク抜きをすることで、シュウ酸の量を減らすことができます。
- ●コーヒー・緑茶・紅茶など
- カフェインが含まれているため、これらの飲料を与えると、犬は下痢、嘔吐、体温不調、多尿、尿失禁、テンカンの発作などを引き起こすことがあります。
- ●生肉
- 生肉(生の豚肉や野生鳥獣肉)には有害な寄生虫や細菌が存在する可能性があるため注意が必要です。犬に肉を与える時は加熱調理を行い予防しましょう。
- ●香辛料
- 犬は香辛料に対する耐性が低いので肝臓障害の症状を引き起こすことがあります。
- ●生卵(生の卵白)
- 犬に生の卵白を与え続けると、ビオチンが欠乏し皮膚炎、成長不良の症状を引き起こすことがあります。ただし、卵白のみを与える場合でも、加熱調理をすれば問題はありません。また、生であったとしても、全卵であれば、卵黄にビオチンが多く含まれますので欠乏症にはなりません。
- ●にぼし、海苔
- 犬にはマグネシウムの過剰が要因となり尿路疾患を引き起こすことがあります。