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ブログし~幸せなペットを増やすために~

2016.10.26  9:20

シェルター・メディシン・セミナー2  シェルターにかかわる動物行動学「シェルターに来させない、出戻りさせないために」

公益財団法人日本動物福祉協会、公益財団法人日本動物病院協会が主催する、恒例の大人気セミナー、『シェルター・ メディシン・セミナー 「より良い譲渡に向けて」』が今年も開催されました。本サイトでは、7月に開催された講義を3回に分けてご紹介しています。1回目の「シェルターメディシン概論」に続く、2回目の講義レポートです。

 

◆2016年度シェルター・ メディシン・セミナー 「より良い譲渡に向けて」

2.シェルターにかかわる動物行動学 入交眞巳先生(日本獣医生命科学大学)

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犬や猫がシェルターに連れて来られる原因の多くは、問題行動です。入交先生は、「シェルターに来てしまう理由となりうる問題行動」をテーマに、4つのパターンと改善法を説明してくださいました。

 

1.分離不安

飼い主など愛情を感じる人が外出したとき、または外出を予測したときに、破壊、過剰な吠え、排せつなどの問題行動を起こすのが「分離不安」です。これは、潜在的な恐怖、不安、飼い主への過度な愛情、社会とのかかわり不足などが起因していることが多く、譲渡犬や迷い犬など、飼い主が替わった犬に多く見られる症例だそう。

治療として効果的だというのが、行動修正法です。飼い主が出かける前や帰宅後のルーティン(普段とる行動で決まった習慣)を見直したり、家にいるのに外出する素振りを見せて慣らせたり、外出時に犬が夢中になれるおもちゃを与えて気を逸らせたり、飼い主が外出しても不安を感じさせない方法が紹介されました。

獣医師さんに相談し、抗うつ剤(塩酸クロミプラミンや塩酸フルオキセチン)を与える場合は、効果が出るまでに1~2ヶ月ほどかかるため、行動修正法を実施しながらの投薬が推奨されるとのこと。更に、「すぐに何とかしたい!」という場合には、抗不安剤(ベンゾジアゼピン)を投与する方法もあるけれども、完全に興奮している状態で投薬しても効果はなく、常習化させずに、抗うつ剤が効く1~2ヶ月の間に使用するようにするのが重要で、薬剤ではなくサプリメント(ジルケーン)を使うこともあるとのご説明でした。

 

2.認知機能不全症候群

犬では15~16歳の約68%、ネコでは15歳以上の約50%が認知機能不全症を発病。排せつの失敗、よく吠えるようになる、方向がわからなくなる、家族が認識できなくなる、夜中の徘徊などの症状が見られるようになるそうです。

 

年齢を重ねると、脳が委縮し、脳の神経が破壊されますが、完全に治すことはできないまでも、進行を遅らせることは可能だそう。排せつを失敗する場合は、トイレを行きやすい場所にするなどの環境修正と、適度な運動などの行動修正、抗酸化物質やサプリなどの栄養的介入や薬物療法が改善策として挙げられるとのご説明でした。

 

3.猫の排せつに関する問題行動

アメリカでは、猫がシェルターに連れて来られる問題行動の1位がトイレ以外での排せつだそうです。

その原因でまず考えられるのが、「トイレに問題がある場合」だといいます。トイレのサイズが小さすぎたり、カバーで臭いがこもっていたり、砂が気に入らない、生活域から遠い場所にあるなどが考えられる要因です。また、多頭飼いの場合、トイレの数が足りないということもきっかけとなるそうです。

もうひとつ考えられる原因が、「マーキング」です。これは避妊去勢することで87%に効果があるそう。行動学的なアドバイスとしては、どのような原因があったとしても猫がわざとトイレを外しているわけではないので、叱らないことが大切だとのご説明でした。叱ってしまってストレスをかけることで余計問題が悪化する可能性があります。

ストレスといえば他にも、家族に赤ちゃんが生まれたなど、環境の変化から受けるストレスが原因の場合も考えられます。

 

4.猫の爪とぎ行動

猫は、爪の管理やマーキングのために爪とぎを行います。被害を防ぐためには、適切な爪とぎグッズを与えるのが有効です。ただ与えるだけでなく、猫の好む素材(猫によって好みが違います)、好む場所、好む置き方で設置し、さらに興味を示すようにマタタビの粉を入れたりするのが効果的だそう。また、どうしても爪を研いでほしくない場所には両面テープやアルミホイルを貼ります。こうすると猫に不快感を与えることになり、結果、猫を遠ざけることができるという方法も紹介されました。いずれにしても、まずは好みの爪とぎを準備することから始めましょう。

 

問題行動でシェルターに連れて来られる動物たちですが、彼らにも、トレーニングや治療で改善の余地があることがわかりました。入交先生は、「正しいアドバイスでシェルターに来させない、引き取られた後の問題行動に正しく対処し、出戻りさせない」ことの重要性を説いてくださいました。

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次回は、実際に地方自治体の保健所で行われている取り組みをご紹介します。

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