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ブログし~幸せなペットを増やすために~

2016.12.07  9:23

講演 日本の動物福祉の問題と動物との共生社会に向けて

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今回は、2016年9月16日(金)、千代田区立日比谷図書文化館にて開催された千代田区民講座より、『日本の動物福祉の問題と動物との共生社会に向けて』という講義の内容をお伝えします。講師を務めるのはSPPの支援先でもある公益社団法人アニマル・ドネーション代表理事 西平衣里さんです。
当日、会場には60名の定員をほぼ満たす人数が集まり、動物を愛する一般の飼い主様、またペットに関わる業界の方々など、さまざまな背景の方々が参加されました。

 

まずは、2011年に西平さんが設立した『公益社団法人アニマル・ドネーション』の活動内容について説明がありました。活動内容は、以下の3つが柱となっています。

1・動物福祉活動の支援・寄付に特化したサイトの運営

日本初の動物関連限定のオンライン寄付サイトであり、動物保護、補助犬育成などを行う団体の活動情報をサイト上に公開して寄付を募り、寄付したい団体を選択することができます。また、企業とタイアップした寄付つき商品なども販売しています。

2・動物保護など日夜努力している団体のサポート

寄付金の管理や広報活動支援のほか、情報共有をするなどして関連団体をサポートしています。個々の団体が持つ優れた手法や成功事例をシェアーすることで、業界全体の橋渡しをします。

3・「人と動物の真の共生」を社会に広める

人にも動物にも負担が少なく、より調和した社会を目指して多くの人々や企業に動物福祉への認知、関心を高めてもらう。そのための情報発信や啓発活動を行います。

 

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日本の動物福祉を世界トップレベルにすることを目指す!

先進国の中で、動物福祉に対して未だ発展途上だといわれている日本。ペットたちの置かれている現状や問題点など、動物福祉の先進国と比べてどこがどう違うのか、今後、日本で何ができるのか、西平さんがさまざまな具体例を挙げてお話しをしてくださいました。

現在、日本の犬・猫の飼育頭数は、15歳以下の子供の総数より多く、諸外国を比べても日本はペット大国といわれています。…にも関わらず、保健所で殺処分される頭数は先進国の中では1,2を争うほど多いという不名誉な状況が続いているとのこと。平成元年には100万頭を超えていた殺処分数は、行政や多くのボランティア団体、個人レベルのボランティアなどの努力により、その後かなり下降線をたどってきてはいますが、平成26年度の例を挙げれば、保健所等での引き取り頭数約15万頭のうち約80%が殺処分されている悲しい現実があります。しかも、その殺処分の方法は、安楽死ではなく苦しみを伴う悲惨なものであるということ、こうした現実にも目を背けないで向き合うべき、と西平さんは語ります。

飼い主の勝手な都合により、保健所に持ち込まれたり捨てられる犬や猫たち、こうした現実を少しでも改善するためには、現在の日本における法定義の改正も必要であると、西平さんは先進諸国との比較例を挙げて解説してくれました。

例えば、動物福祉先進国である、ドイツ、英国、フランスなどの国々では、動物に関する法整備が進んでおり、虐待や遺棄などについては厳しい罰則が科せられるところがほとんどであること。特に動物福祉の最先進国とされるドイツでは、殺処分は国の法律で禁止されているそうです。しかしながら、日本では、「動物は命あるもの」と定義されているものの、民法では「動物は所有物」という位置づけのまま。こうした部分も今後変えていきたい、と語られました。

さらに、日本の動物福祉にまつわる問題点は他にも数多くあると話が続きます。例えば、日本の特に地方において避妊や去勢の必要性が広まっていないこと、ペット業界のパピーミルの問題、ペットショップが廃棄した(売れ残った)犬・猫を行政が引き取り拒否できる法令ができたことで、悪徳な引き取り屋が出現したことなど、抜本的に改革するべき状況は数多くあります。こうした問題の数々には、ペットを愛し飼っている人だけではなく、ペットに興味のない人も含めたすべての人々が意識を向けて、社会全体で考えていく必要があることを、西平さんは強調されました。

 

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変わりゆく日本の行政施設

日本における動物福祉のマイナスの現状だけではなく、今、日本の動物福祉を管轄する行政が、さまざまな試みを始めているというプラスの面もあることをご紹介いただきました。

ドイツや英国などの動物福祉先進諸国では、行政が動物愛護センターやシェルターなどの運営をすることはないのですが、日本では行政がこうした施設の建設にも力を入れ始めているそうです。今注目されている施設としては、以下のものがあります。

 

  • 京都動物愛護センター

2016年5月に開所した市と府の共同運営による施設。ドッグラン、トリミングルーム、夜間動物病院も完備。独自の「京都方式」を打ち立て、行政では困難であった問題行動のある犬の譲渡や新たな譲渡ネットワークの開拓などを可能にした。殺処分ゼロに向けた積極的な取り組みを行っている。

 

  • 奈良県うだ・アニマルパーク

「動物愛護センターゾーン」と「都市公園ゾーン」からなる、動物について学べる施設。独自の「いのちの教育」プログラムにより、動物福祉を子供たちに伝えていく画期的な試みを始めているとのこと。

 

  • 神奈川県動物愛護センター

約11億円の資金を「ふるさと納税」などの寄付から集め、殺処分ゼロを目指して新たに大型の愛護センターの建設を予定しているとのこと。

こうした各地域における行政の取り組みがロールモデルとなり全国にも広がっていけば、と意見を述べられました。

 

ペット先進国の動物保護施設について

最後に、ドイツのティアハイムを始めとした動物福祉先進国の動物保護施設の例を挙げていただきました。ドイツのティアハイムは、サッカーコート22面分という広大な敷地の中、150名のスタッフが働き、施設内には動物病院、ドッグランと連結した犬たちの部屋、トレーニング施設、訪れた人が利用できるカフェなどが完備されているとのこと。他、さまざまな規模の施設がドイツ各地にはあり、高い譲渡率を誇っているそうです。

 

その他、アメリカには犬や猫と入居できる高齢者の施設や、心に問題を持った子供たちが馬の世話をし、馬と意思疎通を図ることで改善を図っていく教育施設が存在することなど、興味深い事例の数々も紹介いただきました。

 

西平さんの講義の後、参加者の方々からさまざまな質問が出て、関心の高さが伺え、また、聴講したわたくし自身も、人と動物の真の共生とは、動物の好き嫌い、興味のあるなしに関わらず、すべての人々が考えなければならない問題であると、改めて考える良い機会となりました。

 

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