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ブログし~幸せなペットを増やすために~

2017.06.21  9:28

Foster Academy(フォスターアカデミー)セミナー第18回 「犬や猫との共生、いのちを考える」レポート


 

滝川クリステルさんが代表を務める、一般財団法人クリステル・ヴィ・アンサンブル主催の「Foster Academy」セミナーが、ヤマザキ学園大学渋谷キャンパスで開催されました。

 

講師はヤマザキ学園大学准教授の新島典子先生です。社会学や死生学の視点から、人と動物の関係性について研究しています。今回はフォスター(保護動物の一時預かりボランティア)として活動している方、検討している方に向けて、「社会における動物のための保護活動の意義」をテーマにお話いただきました。

 

■人と動物の関係について

 

人と動物の関係は、「飼い主」と「ペット」の二者関係と見られています。しかし、吠えなどの問題で他者とトラブルになることもあります。人と動物の関係は、社会現象や社会問題になりうるのです。「飼い主」と「ペット」と「他者」の三者関係として捉えるべきではないでしょうか。社会という視点を意識して関係を築いていただきたいと思います。

 

1.人と動物の関係性を社会空間で見る

 

社会空間は、「私的領域」と「公的領域」の2つに分けることができます。境界線を引くところは人によって違いますが、両方を往復しながら暮らしています。人と動物の関係性を当てはめて考えてみましょう。

 

・私的領域

自宅内、家庭内のプライベートな空間。自由に振る舞うことができる場。飼い主とペットという当事者のみの二者関係の場。問題は個人が解決する。

 

・公的領域

国家、社会、制度に則った空間。自由に振る舞うことができない場。飼い主とペットと他者の三者関係の場。問題は国家、社会、制度が解決する。

 

2.フォスターは公的領域で動物と三者関係を築く

 

「フォスター」と「保護動物」は、飼い主とペットのような二者関係ではありません。一時預かりの動物は、いずれ新たな飼い主に譲渡される存在です。当事者同士ではないので、共に過ごす自宅も私的より公的領域に近い空間になります。フォスターの仕事は、公的領域で三者関係を築いていくことなのです。

 

3.社会におけるボランティアとしてのフォスター

 

社会問題が起きたときに、制度で解決する部分が公的領域、プライベートで解決する部分が私的領域です。ボランティアには、公的領域と私的領域の隙間を埋める役割があります。動物行政に例えると、「動物保護施設の運営」と「飼い主とペットの生活」の間にある、「保護動物の一時預かりと譲渡」です。

こういった隙間をボランティアがカバーすれば、制度に余力がつきます。やがて制度がその余力で隙間をカバーできるようになり、ボランティアは未知のニーズのカバーに向かえます。より多くの動物を助けることができるようになるのです。

 

4.社会が変わることで関係性も変わる

 

近年、猫カフェがブームになっている理由は、社会のニーズの変化によります。今は将来への不安があり、シェアリングエコノミー化が進んでいます。例えば、メンテナンスをせず好きなときに乗れるカーシェアリング。世話をせず好きなときに触れ合える猫カフェと合致します。このような社会の変化によって、伴侶動物との新しい関係性が生まれたといえます。

 

■いのちと別れについて

 

1.日本人の死生観とペットロスへの影響

 

日本と西洋は動物観や死生観が異なります。日本人にとって殺生は霊の住処を奪うことなので、慰霊や供養を行います。この考えは日本独特のもの。その一方で、死をケガレとして避けてきた歴史があり、現在も動物の死を考えたがらない傾向があります。そのため、ペットが亡くなったときにペットロスが長引いてしまうのです。本来は別れが待っていることを理解したうえで、動物と暮らすべきです。

 

・日本:

アニミズム。全てものに霊が宿るという考え。多神教の神道の影響が強い。

 

・西洋:

人が万物の長。全てを支配するという考え。一神教のキリスト教の影響が強い。

 

2.ペットロスは社会に公認されない喪失

 

家族が亡くなった場合は、多くの公的、経済的支援がありますが、ペットにはありません。大切な存在にもかかわらず、社会に公認されない喪失のため、ひっそりと悲しみ苦しまなければいけません。ペットロスを乗り越えるには、喪失を受け入れ、周囲に話すことが推奨されています。それができないためにペットロスが長引くこともあります。

 

3.人と動物の安楽死について

 

かつて人の医療は、1日でも長く生き延びることが至上命題でした。現在は本人のQOL(生活の質)が維持できなければ、尊厳ある死を迎えるのが正しいのではないか、という議論が起こっています。少子高齢化、医療費問題、介護問題、そういう社会の変化がある中で、安楽死を合法化する動きも出てきました。現在はリビングウイル(生前の意思)により、安楽死が認められることもあります。

 

では、動物はどうでしょうか。例えば野猫の場合、頭数が増えて保護の担い手が追いつかず、費用の負担も大きくなっています。不妊・去勢手術を行い殺処分(安楽死)をゼロにするのが理想ですが、一足飛びにそこまで行くのは困難でしょう。人間でさえ安楽死の議論が出ている時代なので、増えすぎた動物の殺処分も仕方がない、と語られがちだからです。

人間の安楽死は本人のQOLを優先して行うものですが、動物にはそのような基準や要件がなく、殺処分の是非の判断が難しくなります。まずは要件や基準を定めることで、なるべく動物が殺されないようにしていく、という考えもあるでしょう。

 


 

社会における動物保護活動の意義

 

現在は、ボランティアへの期待が高まっている社会です。できる人が助けないと、多くの命が失われていくのが現状だからでしょう。命を救うには社会を変えていくしかない、社会を変えるには私たちが動かしていくしかないのです。

 

社会とは、私たち一人ひとりが作っている目に見えない実態です。しかし、大きな力があります。社会の実態を感じ取れる一例として、群衆をイメージしてください。大勢の人が集まったとき、一人では違う方向に行けません。一人は小さくても集まると大きい影響力をもつことができる、という証左といえます。

 

社会の構造の隙間や、そこに生じる問題にいち早く気づき、カバーできるのはボランティアしかいません。社会を変えるきっかけを作るボランティアが果たす役割こそ、社会的な意義ではないでしょうか。

 

一般財団法人クリステル・ヴィ・アンサンブル

http://www.christelfoundation.org

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