マダニのもたらす
病気や被害
生命さえも脅かす、恐ろしいマダニ媒介性疾患
マダニは多くの病原体を媒介します。そのため、吸血による貧血や皮膚炎だけでなく、命さえおびやかす病気にかかる危険性があります。ペットだけでなく人への感染症も報告されています。
吸血開始から48時間以内なら、病気を媒介する危険性が低いので、駆除薬の投与で早い対応を心がけましょう。
1.貧血・皮膚炎
小さなチワワに大量発生。貧血状態になる場合もあります。
マダニに規制された部分に痛々しい傷跡が。
マダニ被害画像
マダニ肥大画像
2.犬バベシア症 ~命にかかわる特に恐ろしい病気~
貧血、発熱、食欲不振、黄疸、衰弱
バベシア原虫が犬の赤血球に寄生して、破壊します。感染した犬には貧血、発熱、食欲不振などの症状が現れ、急性の場合は黄疸や衰弱などによって死に至ることもある恐ろしい病気です。 以前は「犬バベシア症」は西日本特有のものとされてきましたが、今では関東以北でも発生が認められるようになり、全国的に感染のリスクがあることがわかってきました。
貧血による元気消失
貧血による口腔内粘膜
3.猫ヘモプラズマ症
貧血、発熱、元気消失
ヘモプラズマというリケッチアが原因となり、貧血、発熱、元気消失などの症状があらわれます。 、関節炎などがみられます。
人間にも感染する怖いマダニの感染症
ペットだけでなく、人体への感染例も報告されています。
1.ライム病
皮膚症状、神経症状、発熱、食欲不振など
マダニからペットや人にも感染します。人に感染した場合、皮膚症状、起立不能、歩行異常や神経過敏などの神経症状 、関節炎などがみられます。
ライム病における慢性遊走性紅斑
2.日本紅斑熱
発熱、全身の発疹
マダニがリケッチアという病原体をうつすことで、日本紅斑熱を引き起こすことがあります。発熱、全身の発疹などの症状だけでなく、死亡する場合もある大変危険な病気です。
マダニの見つけ方
散歩から帰ったら、マダニをチェック
特に頭や耳、目の縁やお腹、足の指の間や背中などをチェックしてあげてください。
もし、マダニを発見してもしっかりと食いついているマダニを見つけても決して無理にとろうとしてはいけません。化膿したり、病原体をペットにうつしたりするので、見つけたらすぐに動物病院へ。
マダニはどこにいるの?
散歩から帰ったら、マダニをチェック
マダニはどんな気候や場所にも対応する寄生虫で日本全国どこにでも生息していますが、中でもマダニが特に好む場所として知られているのが、山林や川原の土手などの草むらです。
「別に山や川へは行かないから」と安心している飼い主様も、要注意です。都市部の公園などでもマダニに寄生する危険があります。さらに、以前は犬だけがマダニに寄生すると思われていましたが、最近になって猫にも多くのマダニが寄生することが明らかになってきました。
マダニのシーズンは、成虫が多い春だけと思われがちですが、秋に若ダニや幼ダニが多く発生することは意外と知られていません。年間を通じた定期的なマダニ対策が重要です。